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CSV展開

CSV展開とは、書類作成時にCSV形式の値をExcel形式のファイルに出力する際に自動的にCSVインポートさせる機能です。CSV展開機能を使うことで、表のような構造的なデータをExcel形式のファイルに出力できるようになります。

CSV展開機能の活用シーン


CSV展開機能の基本的な使い所として、表形式のデータを取得し、Excel形式のファイルを書類作成したい場合が挙げられます。

例えば、以下のような注文書をExcel形式のファイルに出力したい場合はCSV展開機能を使用します。

(例)注文書のデータからExcel形式のファイルを書類作成する

なお、上記のすべてのケースでCSV展開機能を使用しなければならないわけではありません。CSV展開機能の使用の判断となるのは、データ取得および書類作成において次の3つの要件を満たす場合です。

  1. 書類作成用テンプレートのファイル形式がExcel形式である。
  2. 1つの項目が複数の値を持つケースがある。
  3. 表形式のデータを列単位でなく、行単位で取得する。
  1. 書類作成用テンプレートのファイル形式がExcel形式である。

    CSV展開機能は書類作成用テンプレートのファイル形式がExcel形式の時のみ使用できます。WordやPowerPointのファイル形式では使用できません。

  2. 1つの項目が複数の値を持つケースがある。

    例えば注文書の中で「注文日」や「お客様コード」という項目は基本的には1つに決まります。一方で、注文明細の「名称」や「数量」、「金額」といった項目は複数の値を持つ可能性があります。このような値の持ち方は、CSV展開機能を使うケースでよく見られます。

  3. 複数の項目がまとまっているデータのグループがある。

    注文明細の「名称」や「数量」、「金額」といった項目はそれぞれ独立して存在していますが、構造的には「注文明細」における「名称」や「数量」、「金額」という認識をすることで、表形式のデータを列(名称や数量)として扱うのではなく、行(注文)として扱うことができます。つまり、表のデータを列単位ではなく、行単位で取得したい場合はCSV展開機能を使用します。

CSV形式のデータ取得


CSV展開機能を使うためには、まず解析項目の解析結果をCSV形式で取得する必要があります。

例えば、次の注文明細から注文データを取得するとします。

(例)注文明細

こちらの注文明細から、注文を取得するための解析項目と代表的なプロンプトは以下のようになります。

解析項目

注文明細

プロンプト

「名称」「数量」「単位」「単価」「金額」「備考」「税率」をCSV形式で取得してください。

*解析項目名とプロンプトはあくまで代表的な一例です。

実際に、上記の解析項目とプロンプトを元にドキュメント解析をすると以下のような結果が出力されます。

解析結果

もち巾着入りおでんせット (スープ付),10,153,1530

北海道野付のいくらしょうゆ漬け 40g,10,120,1200

豚バラ鍋物用ステイス 210g,10,360,3600

*解析結果は一例です。解析タイミングによって異なる場合もあります。

CSV形式で取得した解析結果については、ドキュメント履歴画面でCSV表示をONにすることで、解析結果の値をCSV展開された状態で確認できます。

(CSV表示の例)

もち巾着入りおでんせット (スープ付)

10

153

1530

北海道野付のいくらしょうゆ漬け 40g

10

120

1200

豚バラ鍋物用ステイス 210g

10

360

3600

ダブルコーテーションでの値取得

上記の例において、金額の出力形式をコンマ区切りの¥マーク表示にしたいという要件があったとします。その場合、解析結果は次のようになることが予想されます。

解析結果

もち巾着入りおでんせット (スープ付),10,153,¥1,530

北海道野付のいくらしょうゆ漬け 40g,10,120,¥1,200

豚バラ鍋物用ステイス 210g,10,360,¥3,600

この解析結果は一見すると問題ないように見えますが、CSV展開機能においては致命的な不具合に繋がります。この解析結果をドキュメント履歴画面でCSV表示をONにして確認します。

(CSV表示の例)

もち巾着入りおでんせット (スープ付)

10

153

¥1

530

北海道野付のいくらしょうゆ漬け 40g

10

120

¥1

200

豚バラ鍋物用ステイス 210g

10

360

¥3

600

意図しない値になっている理由は、金額のコンマ区切りによって1行あたりのCSVデータ内の値が4つから5つに増えてしまったからです。

この不具合は、プロンプトに以下の追記をすることで回避できます。

解析項目

注文明細

プロンプト

「名称」「数量」「単位」「単価」「金額」「備考」「税率」をCSV形式で取得してください。金額は「¥1,000」のように出力してください。

なお、値はダブルコーテーションで囲ってください。

上記のプロンプトの追加をすることで解析結果は以下のように変化します。

解析結果

"もち巾着入りおでんせット (スープ付)","10","153","¥1,530"

"北海道野付のいくらしょうゆ漬け 40g","10","120","¥1,200"

"豚バラ鍋物用ステイス 210g","10","360","¥3,600"

CSV展開時において、ダブルコーテーションで囲われた値については値に含まれるコンマがCSV展開の影響を受けなくなります。またダブルコーテーションはCSV展開時には除外されます。そのため、コンマを使った文字列であっても正しくCSV展開をおこなうことができます。

(CSV表示の例)

もち巾着入りおでんせット (スープ付)

10

153

¥1

530

北海道野付のいくらしょうゆ漬け 40g

10

120

¥1

200

豚バラ鍋物用ステイス 210g

10

360

¥3

600

CSV展開用の書類作成用テンプレートの作成


CSV展開用の書類作成用テンプレートの作成については、通常の書類作成用テンプレートの作成手順とほとんど変わりません。

ただし注意点としては、CSV展開される解析項目のテンプレート変数をCSV展開されることを想定して配置しなければなりません。

例えば、注文明細のデータについてはExcelファイル内の任意のシートに次のように配置されるべきです。

{{注文書.注文明細}}

一方で、次のようにシート内に事前に入力されていた値が存在していた時、その値は上書きされる場合はあります。

{{注文書.注文明細}}

(結果出力例)

もち巾着入りおでんせット (スープ付)

10

153

¥1

530

北海道野付のいくらしょうゆ漬け 40g

10

120

¥1

200

豚バラ鍋物用ステイス 210g

10

360

¥3

600

事前に入力されていた値がCSV展開されてことによって消されてしまいました。

CSV展開の書類作成


書類作成においてCSV展開を有効にするためには、いずれかの対応が必要です。

①書類作成用テンプレートの登録時にCSV展開のデフォルト設定をONにする。

②書類作成時にCSV展開オプションを手動でONにする。

書類作成時にCSV展開オプションがOFFの場合は、CSV展開が想定された書類であってもCSV展開がされないままファイルが作成されます。